ごあいさつ

ごあいさつ

放送大学学園理事長 髙橋 道和

放送大学学園理事長

髙橋 道和

放送大学は、「大学教育の機会に対する広範な国民の要請にこたえ」「大学教育のための放送の普及発達を図る」(放送大学学園法第1条)ことを「建学の精神」として、1983(昭和58)年に設立しました。開学当初の学生は、地上波が受信できる関東圏に限られていましたが、ビデオ視聴が可能な学習センターを順次整備し、1998(平成10)年には、CSデジタル放送により、全国で学生受入を開始しました。その後、BS放送への移行、インターネットによる放送授業番組の配信、オンライン授業の開講などの改革が行われ、コロナ禍においては、web単位認定試験やライブWeb授業の導入などデジタル技術を活用した新たな教育サービスを積極的に提供してまいりました。「学びたい人が、いつでも、どこでも学べる開かれた大学」として、これまでに累計で約186万人の学生が学び、約14万5千人が卒業・終了しています。
このたび、創立40周年記念事業の一環として、これまでの放送大学の歴史やメディア教育に関する貴重資料、証言動画・テキストなどをデジタルデータ化し、「放送大学Web資料館」として公開する運びとなりました。今後とも順次コンテンツの充実を図るとともに、近い将来には、放送大学資料館の設置に繋げていくことも構想しております。放送大学の学生・卒業生、かつて放送大学に関われた教職員の皆様をはじめ、遠隔教育・メディア教育に関心のある多くの皆様に、観覧・活用していただけることを期待しております。

放送大学Web資料館の
開館にあたって

放送大学長

岩永 雅也

放送大学の構想は、1967年の社会教育審議会への文部大臣(当時)の諮問「映像放送およびFM放送による教育専門放送のあり方について」に端を発します。背景には、実用化されたUHFおよびFM波の遠隔高等教育への利用が検討されていたことがありました。その諮問への答申を受けて文部省は1969年に「『放送大学』の設立について」を発表し、同時に放送大学の名称も定めました。そうした経緯により、放送大学は、いつでも、どこでも、誰もが学べる大学を標榜し、主に放送を利用して講義を行う当時日本で唯一の大学として1983年4月に発足しました。以来40年間、放送大学は遠隔高等教育の第一走者として、常時多くの放送授業を提供してきました。現在では、BSによる放送授業約400科目のほか、Web利用のオンライン科目、全国57カ所の学習センター等での年間約3,000科目の面接授業やライブWeb授業など、多彩な形態で授業を展開しています。
そうした特異なシステムを持った放送大学が、これまで取り組んできた「遠隔高等教育」に関するWeb資料館を開設することになりました。資料館では、放送大学が制作してきた膨大な教育コンテンツや学生指導にかかわる貴重な資料を収集し、それらの保存・研究・展示・教育を体系的に行っていきます。またスタジオや編集設備などの制作現場とも連携し、生きた放送大学の教育を体験できる場にしていきたいと考えています。
放送大学Web資料館のこれからの活動にどうぞご期待ください。